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精油額総論



        
(8)精油の吸収と代謝
  

(8)精油の吸収と代謝

人体への吸収経路と代謝機能

      臭いの感覚(嗅覚)を通しての働き (嗅覚)

 空気中に蒸発した精油成分が空気を吸い込むことで、鼻の奥にある嗅細胞に届きこの物質の情報が電気信号に変えられて大脳に送られ、ここで「におい」として認識されます。嗅覚は感覚として認識されるだけでなく、身体の生理機能をコントロールしている部分に直結しており、身体の調節の働きにも影響を与える。

 

      吸い込むこと(吸入)による働き (呼吸器)

 精油の芳香成分を吸い込んだとき、まず嗅覚でとらえますが、同時にこれらの物質は肺の中に入り、その末端からわずかではあるが、血液中に入り込み身体の中でいろいろな働きをする。

 

      皮膚からの働き (皮膚)

 植物油に薄められ、皮膚に塗られた精油成分は、皮膚内に浸透し保湿成分を補ったり、引き締めなどの働きをする。皮膚内へ浸透した成分の一部は、皮膚にある末梢血管に入り身体に影響を与える。

 

      口から飲んだり、食べることによる働き (消化器)

 日本アロマテラピー協会では精油を飲むことはおすすめしていません。

飲まれた精油成分は口、のど、食道、胃、小腸など消化器の粘膜からも吸収される。

 

嗅覚から神経系へ伝わるルート

1.          脳のしくみと働き

·         大脳→大脳は頭の表面に近い大脳新皮質と内部の大脳辺縁系とに分かれます。ヒトは大脳新皮質が特に発達しており、ここで、考えたり、判断したり、行動したりするなどの知的活動を支配しており、最も人間らしい働きをするところです。一方、その下の押しやられた辺縁系は古い脳と呼ばれ、感情や本能、記憶に関わる活動を支配しています。激しく怒ったり、恐怖心などの「不快」、安心やリラックスなどの「快」の感情の両方を支配し、また食欲や性欲もここから生まれると考えられています。

 

·         小脳→小脳は身体運動のバランスを保つ中枢です。

 

·         間脳→ 脳の中へ幹のように入り込んでいるため、こう呼ばれています。ここは小さな器官ですが、生理作用の中枢となっており、生命を維持するには欠くことのできないことこです。特に、視床下部は体温をはじめ水分、血圧、食欲の調節、また、内臓の働きの調節など多くの重要な働きをしています。視床下部には下垂体という小さな器官がついており、ここで全身のホルモン分泌をコントロールしています。

 

それぞれの脳のつながり

 大脳辺縁系は感情や本能に深く関係した器官で、ここからの情報は、すぐにその下に位置する「生命中枢」である視床下部へと伝えられます。例えば外部から危険を知らせる信号が入り、恐怖を感じると、辺縁系が情緒的な反応をし、視床下部がこれを受け取り、危険に対処しようと身体の生理機能を変化させるというわけです。血圧や心拍数が上昇したり、手に汗をかいたりなどの反応がこれです。一方、リラックスしたときも辺縁系からの信号を視床下部が受け取り、身体の生理状態も血圧や心拍数の低下、消化活動の促進などの反応が起こります。以上がストレス反応とリラックス反応の概略です。

 頭では分かっているのに感情や身体がゆうことをきかない、ということがありますが、大脳皮質ですべてをコントロールしようとするのではなく、辺縁系や脳幹に直接働きかけてストレスを軽減したり、リラックスしたりすることが必要です。ここにアロマテラピーの活躍する根拠があるのです。

 

嗅覚の伝達

 あるにおい物質を嗅ぐと、その揮発成分が鼻の奥の上部にある嗅上皮の粘膜に溶け、そこで嗅細胞が出している毛(嗅毛)にキャッチされると、それが嗅神経の興奮となって神経線維を電気的インパルスがつたわって

 

嗅覚の働き

 嗅覚は「原始的」「直接的」といわれていますが、生理反応に直接結びつく重要な感覚です。

 鼻腔に入った芳香成分は、嗅細胞を刺激し、大脳辺縁系に伝わりこれが重要な意味を持ちます。香りの刺激は大脳辺縁系で古い記憶や本能行動と結びつき、強い感情を呼び起こした後、視床下部へと伝わり、身体に生理反応が現れます。視床下部は脳の中の脳といわれるほど重要な器官で、体の恒常性を保つために自律神経系や内分泌(ホルモン調節)、そして免疫系を調節しています。ここで重要なのは、嗅覚が大脳皮質による知的な解釈を通さずに、身体の生理反応に直結しているということです。また、それとは別に大脳辺縁系に入った嗅覚刺激は大脳皮質にも伝えられ、香りに対する「意識」を作り出します。この2つの伝達はほぼ同時に起こっていると考えられています。ここが大切なポイントなのですが、「その人にとっての快い香りは、自動的に身体のバランスを取る」という点で、一致しているのです。


血行を介して全身に行き渡るルート

1.皮膚から

皮膚は表皮を覆う皮脂膜や角質層のバリアゾーンがあるので、簡単に物質を通過させたりはしません。しかし、精油は小さな分子構造をしている上、親油性ですからこれらを容易に通過します。キャリアオイルやマッサージなどで血行をよくすることもさらに透過性をよくします。そして真皮層の血管やリンパ管に入り、血液を介して全身の組織、器官へと広がります。精油を皮膚から吸収させる方法の優れた点は、消化器系を介さないため、胃などに障害を起こす恐れがないことです。

 

2.吸入によって

 精油の香りを嗅ぐと、精油成分はわずかながら鼻粘膜から吸収され、血液に入るものもあります。さらに精油成分が吸気とともに気管支から肺に入ると、精油の種類によっては痰をきり、咳をしずめるなどの局部での効果が得られます。一部の精油分子は、肺の一番奥にある肺胞の薄い膜を透過して血液に入り体内を循環します。

 

3.消化管の粘膜から

 精油を内服する方法は主にフランスの医師や療法家によって行われていますが、イギリスその他の国では用いられません。内服すると消化管粘膜から吸収され、血液循環を経て肝臓に至り代謝分解されます。続けて使うと肝臓に蓄積し毒性を発現する恐れがあります。また消化管粘膜に対する刺激も考慮する必要があるでしょう。皮膚からよりも粘膜からの方がすみやかに吸収されます。

参考資料 アロマテラピー検定テキストブック、からだの地図帳


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