発酵は微生物の生命現象
自然界では動植物の死骸などは微生物が分解発酵を始めます。
体外に酵素を分泌して死骸の有機物(たんぱく質や脂肪、でんぷん、繊維素など)を分解します。
分解された成分は微生物が代謝をして、その多くが二酸化炭素となって自然界に放出されます。
二酸化炭素は植物が光合成を行うときに使われ、酸素を放出します。
酸素は動物が消費します。
一方、残った成分の中の窒素化合物は、微生物の分解発酵により、植物の成長に必要な栄養成分として土壌に蓄積されます。
育った植物は草食動物のえさとなり、草食動物は肉食動物の餌食になります。
最後には肉食動物も土にかえることになり、微生物が働きます。
このような食物連鎖は微生物による分解発酵があって成り立ちます。
発酵の定義
今から役6000年前、家畜の乳を放置していたら、酸味のある液体に変化していたという話が残っていますが、これが自然にある乳酸菌によって乳酸発酵して乳酸菌飲料ができたと推測できます。
日本のように温暖で湿度の高い風土では乳酸菌よりもかび菌や腐敗菌が空気中により多く存在するので、牛乳を放置しておくと腐敗してしまうことが多いでしょう。
腐敗と醗酵はどう違うのでしょうか?
牛乳が腐敗した場合、悪臭を放ち、腐敗菌が作り出した毒性で下痢や嘔吐を引き起こします。
発酵の場合は乳酸菌よのうに毒性物質の繁殖を抑えるだけでなく、味や香りがよくなり、栄養価も高く人にとって有益に作用します。
◆発酵とは◆
発酵とは、微生物そのものかそれらが持つ酵素が作用して、人類にとって有益な物質を作り出したり、その現象が有益な手段となったりすることと考えられます。
参考文献
発酵食品が効くレシピ94